講評会と八王子セミナーハウス

建築 2009-01-11

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講評会が終わりました。八王子セミナーハウスの敷地内に研修施設を設計するという2年生の後期課題です。地形が複雑で難しかったかもしれませんが、建築と環境を同時に意識する良い経験になったのではないか思います。
セミナーハウスは学生時代に宿泊したことがあります。残念ながらセミナーの内容はまったく覚えていない(笑)のですが、散策路でつながれた点在する建物の風景と世間から離れた山小屋にいるような雰囲気、そして部屋で飲んで語り明かしたことだけは強く印象に残っています。
課題を機に再度見学する機会が得られたのは貴重な体験でした。

セミナーハウスは、吉阪隆正+U研究室設計の60年代の建物群です。多摩丘陵の尾根と谷とが繰り返される斜面にあります。楔形の本館を中心に、ひとつひとつ異なる建築や小さな集落が斜面に点在している風景が面白く、その間をつなぐ路の散策が大変魅力的な施設です。創設者は、教師から学生への一方的なマス教育に疑問を持ち、対話のある教育が行われる場をつくるためこのセミナーハウスを計画したといいます。飲み明かしたのもまさしく対話がうながされたから(笑)。現在は利用率が落ちているそうですが、今回訪れてみて、集中して制作するための場所として見直される可能性もあるのではないかと思いました。情報が氾濫する落ち着きのない日常のワークスタイルから離れ、場所を変えて滞在しながらものをつくる、デュアルオフィスやデュアルアトリエ。よさそうに思います。

いつものことながら意匠デザインの優れたものが花形となる講評会で。
来年は、環境、構造、都市、様々な独自のアプローチを期待したいものです。

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