国領の家

「コア」+「フリースペース」のフレキシブルな住宅

東京郊外の閑静な住宅地にある、若いご夫婦のための住宅です。

もともと大きな敷地割で開発された住宅地。敷地はそのひとつを半分に分割した細長の土地です。建蔽率40%の地域のため、最大限の容積を確保しつつ、空が広い周辺の街並みに協調することを目指しました。ゆとりのある佇まいになるよう、手前に「迎えの庭」、奥に「くつろぎの庭」、二つの庭を作っています。

若い家族のために、将来の変化に柔軟に対応できる住まいを考えました。
まず「コア」と「フリースペース」二つのゾーンを設定。「コア」はキッチンや浴室、トイレ、階段、ワークスペースなど、常設の設備や機能が明確にあるスペース。反対に「フリースペース」は何もない開放的な空間で、いわゆる居間や食堂、寝室などのスペースです。その二つのゾーンが常にペアとなるように配置し、生活に合わせて柔軟に連携できるように考えました。

「コア」は、在来木造のモジュール。既製の設備器具や家具を組み込みやすくしています。「フリースペース」は、間仕切りの変更ができるよう、モジュールにとらわれずにできるだけ大きな空間を確保しています。

様々な家族構成や敷地条件に対応できるこの提案は、カスタマイズが可能な規格住宅にもなり得ると考え、同時に進行していた建売住宅の群棟計画にも応用しています。

1階のフリースペースは居間と食堂です。
可動のテーブルと床板を組み替えると、普段は別々のテーブルが大テーブルに早変わり。ハレとケの場面転換が可能です。

2階のコアのひとつ、ワークスペース。DIYで棚を増やしたりできる合板仕上げ。
屋上へ上る階段収納は自由に動かせます。電球を変えたり、ハイサイド窓の掃除に便利です。

2階のフリースペースのひとつ、家族室。
上部に連続するハイサイド窓で、どこでも採光を確保できるため、間仕切りの位置を選びません。高天井を活かしてロフトをつくることもできます。

国領の家

竣工   | 2004
用途   | 住宅
構造   | 在来木造

共同設計 | 石田設計室
構造設計 | 腰原幹雄
作庭   | 品品
写真   | 熊谷順

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