左官職人になる

建築, 技術, 料理 2009-07-14

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最近、漆喰や珪藻土の塗り壁を住宅に使ってみています。現在進行中の現場でもそろそろ工事が始まりますが、程よい質感と存在感、そしてやわらかく表情豊かな壁になるだろうととても楽しみにしています。調湿効果がどれくらい感じられるかも気になるところですね。そして密かに楽しみなのは、左官職人の作業が見られることです。見ているといつも、やってみたくてうずうずします。最近DIYで施工する建て主さんが増えているのは、コストのことだけでなく、広い壁をすいすいと気持ちよく塗ってみたいからではないかなとも思ってしまいます。そんな気になっている最中、壁塗り体験ができるセミナーを見つけたので、どれどれと行ってみることにしました。

数年前、知人の誘いで壁塗りの手伝いをしたことがあります。そのときは、初歩も初歩、材料を鏝の上にひょいと載せる技、「鏝(こて)返し」がなかなかできず悔しい思いをしました。今回はそのリベンジ!とばかり、やけに気合が入ります。

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最初は、材料の捏ね方を見学。クワのような道具で少しずつ耕すように練り上げていきます。本格的!とちょっと心躍るのもつかの間、家一軒分の材料をすべてこねるのは気が遠くなる作業だな…と思うと急に逃げ腰に。そんな気配を察してか、ミキサーもあるよ!と。ちょっと安心。あらかじめ練った材料もあるし!とさらに安心しました(笑)。

続いて塗り方の説明を聞き、ようやく割り当ての壁に取りかかります。まずは下地調整。メッシュの下地テープを、壁の入り隅と真ん中に、目地があると仮定して張ります(開催場所の事情により今回は1枚の合板の下地ですが、通常は石膏ボードで目地があります)。そしてメッシュ部分に鏝で材料をすり込んでいきます(写真右上)。入り隅はなかなか材料が入っていかず苦戦。それでもなんとか塗り終わり、調整完了。今回は下塗りを省略するため、続いて塗りつけです。

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3つのメーカーからそれぞれ材料を提供してもらうため、壁を3つのゾーンに塗り分けました。まずは漆喰から。白くてきれいな壁になることを信じて挑んだのに、全体に薄くムラになってなかなかうまくいきません。一番成功してほしい材料だったのに…あーあ。残念ながら時間切れで、次の材料、珪藻土A(黄土色)にスイッチ。実際は下塗りもあるので、もう少し見られるものになるはず…と泣く泣く切り替えました。ほー、こんどの材料は粘りがあって塗りやすいです。慣れてきたおかげもあり、鏝が手の一部になったように力が入り、楽しくなってきました。しかしまだ平らには程遠く…。最後に珪藻土B(抹茶色)。こんどは骨材(砂のような粒)が多くザリザリとしています。たっぷり塗らないと引っかいたような傷ができてしまうのです。一通り塗った後、仕上げに丁寧に鏝で均すとやっと少し平滑さが出てきた気がしました。それでも、最後にしてやっと少しできるようになったかなという程度です。いつも見ている職人さん達はやっぱりすごいなと実感。平らに塗ることがいかに難しいかがわかりました。素人仕上げなら、難を隠す「刷毛引き仕上げ」が精一杯でしょうか。そして2時間半のセミナーが終了。出来はまだまだでしたが、とても楽しい作業でした。
お土産で、マイ鏝、マイ鏝板をいただきました。妙にうれしーです。でも今後の出番は!? んー、いつかあるでしょう!

***

この週末は、久しぶりにゆっくりできた休日でもありました。その夜はつまみを用意してゆっくりと夕飯。暑さもあってさっぱり目のものばかり。刺身サラダと、蛸と茄子と葉しょうがの素揚げぽん酢かけ、です。
程よい疲れと共にビールが進む進む。満足。満足。

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